看護師と家族でかなえる最高のサポート
子どもの入院から就学・就労まで
- 定価 2,640円(税込)
- 著:佐藤 聡美
- A5・216ページ・並製
- 発行年月:2021年11月
- ISBN 978-4-86719-028-9
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
予期せぬ病気と診断された子どもとその家族
看護師と家族が力を合わせることで、子どもへの支援がどれほど充実したものになるのか ――。
入院後も成長・発達する子どもたち。就学・就労までのライフサイクルを見据えることで、新たな看護が拓ける!
【本書の概要】
病気の子どもとその家族に対して、看護師にできる心理的なサポートについて事例を交えて紹介。看護師と家族が力を合わせるとどれほど大きな支援になるのか、具体例を通して学べるとともに、実践に生かせる内容となっている。
【本書のポイント】
- 小児がんの子どもをモデルに、15の事例を交えて紹介。
- 病気の子どもに広く活用できる支援情報を多く掲載。
- 子どもの家族はもちろん,医療者・教育者にも子どもを支援するイメージがもちやすいように発達段階別の構成。
- 子どもが病気の診断を受けてから,学校に行き,就職するまでのライフサイクルを見据えた支援を提案。
看護師と家族だからこそ可能なサポートに向けて
第1章 子どものがん治療のパラドックス
治療後の長く曲がりくねった道/生存率も欲求水準も上がる/大人になるのを見届けたい/全体像がおぼろげな晩期合併症
第2章 3本の補助線
1本目:生き残るための愛着/2本目:怒りの対象を探す/3本目:病気とは関係のないもの
成長・発達を見すえたサポート
第3章 乳児期は愛着関係と共同育児が決め手(0歳から1歳)
赤ちゃんを成長させる愛着関係/親も万全ではない;奇妙な平和/付き添いに専念するリスク/抱っこが心をつくる/【事例1】ゆうたくんのおむつ/【事例2】しずかちゃんの母親と祖母
第4章 イヤイヤ幼児には選手交代(2歳から3歳)
心のなかの「お母さん・お父さん」/よりよく育てようと思うがゆえに/親の限界を超えて/退院後はダブルリソースで!/【事例3】「イヤイヤ」と言うしょうえいくん/【事例4】さくらちゃんのヨコに座る楽しみ
第5章 男の子らしさと女の子らしさ(4歳から6歳)
子どもらしさが裏目に出るとき/不安を小さく,関係をよりよく/アウトソーシングも大切/【事例5】娘におもちゃを買い与えすぎる父親/【事例6】ひろしくんのチョコレート/【事例7】力いっぱいのたくやくん
第6章 ランドセルを使いたい(小学1年生から3年生)
競争の始まり;自信と劣等感/学業と認知機能(考える力)/自信を保つ復学支援/【事例8】大人とは違う連帯感
第7章 子ども時代の黄金期(小学4年生から6年生)
ぐんぐん伸びる身体能力/「考える力」に影響する晩期合併症/「おとなしい」は教育リスク/【事例9】つばさくんのSOS/【事例10】りかちゃんの復学支援会議
第8章 いびつな思春期の入り口(中学生)
第二次性徴の始まり/メタ認知の発達/自意識の高まり/【事例11】しんじさんの本当の悩み/【事例12】まみこさんへの思いやり
第9章 AYA世代の深い森(高校生と大学生)
独自性からアイデンティティへ/守られた環境で育つ弱点/教育全体から早くゴールを決める/就労への道のりに存在するバリア/【事例13】ともこさんの友達づきあい/【事例14】ふみおさんのアルバイト
最期のときを過ごす
第10章 もしも子どもと別れるときがきたら
私たちはずっと家族/子どもが亡くなる日/子どもが亡くなってからの時間/【事例15】ちかちゃんのランドセル
おわりに
30年後の未来
これからの5つの課題