小児看護事典
- 定価 6,600円(税込)
- 監修・編集:日本小児看護学会
- A5・896ページ・上製 函入
- 発行年月:2007年05月
- ISBN 978-4-89269-569-8
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
本書は小児看護学および小児看護に深く結びついている医学(主に疾患)・保健・福祉・教育・医療システム・関連法規などの語彙を選定し約1,000語を収載いたしました。語彙の意味内容を検索することに加え、読める事典を目指して編纂した、看護界で初めての唯一専門領域に焦点を絞った事典です。
1999年『小児看護』 特集号(第22巻第5号)誌上で「小児看護用語」94事項が解説されました。この特集は、へるす出版 渡部勝氏から企画についてご相談があった当時の「日本小児看護研究学会」理事長として、学会で監修するものとしたいと考えて役員会をそのまま編集委員会として評議委員を中心に他領域の先生方にも執筆をお願いして実現しました。
その後、『看護学事典』が各社から刊行されましたが、小児看護に関する用語の収録は少なく、2000年に1,000語程度の『小児看護事典』の企画の相談を受けたとき、これこそ学会で取り組むべき事業と考えて、早期の承認を得て役員会で語彙選択を開始しました。「人間」「環境」「健康」「看護」という看護の基本概念から、小児看護の構成概念を検討し、「成長発達」「生活」「家族」「疾患・治療・検査」「看護」「人名」の6領域として、「関連学会および団体」を加えて、各領域を2名で担当して語彙を選定しましたが、その決定に多くの時間を費やしました。語彙選定には小児看護に必要な視点から、実践・研究の現状や展望を鑑みつつ工夫を凝らしました。執筆者は274名にのぼりましたが、「看護」に関する用語はそのほとんどを「日本小児看護学会」会員に依頼し、他領域にかかわる用語については斯界の権威者である方々にご執筆いただきました。
長くなった作業の間には「小児」をめぐる社会情勢も大きく変化し、とくに「教育基本法」の改正により「養護学級」が「特別支援学級」となるなど法改正を待って、書き直していただくようなこともありました。巻末の関連学会および団体について、関連各学会・団体に用語集の意図を説明して寄稿をお願いいたしましたが、関連するすべての学界・団体が網羅されてはおらず、語彙選定の過不足とともに、今後の課題となっております。
子どもの看護に携わるナースは、小児専門病院や小児病棟に勤務する方々だけでなく、成人病棟や混合病棟、さらには外来や保健所・保健センターなどの多くの場面で、「発達」「生活」「病気」「症状」「検査や治療」などさまざまなことを調べる必要が生じます。そのようなときに役立ち、また教育・教育機関で小児看護学教育に携わる方々や看護を学ぶ学生にとっても、座右にあって役立つものとなることを確信しております。さらには、読む事典としても興味深いものであり、保育士、臨床心理士をはじめ子どもに関わる専門職の方々にも役立つものと考えております。
(小児看護事典「序」より)