“生きるからだ”に向き合う

“生きるからだ”に向き合う

身体論的看護の試み

  • 定価 3,520円(税込)
  • 編著:佐藤 登美
  • 編著:西村 ユミ
  • 四六・218ページ・並製
  • 発行年月:2014年01月
  • ISBN 978-4-89269-709-8
  • ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。

本書は、編著者が中心となって始めた「身体論(身体の現象学)の自主ゼミ」をまとめた書です。看護師の業務が分断的・文節的になり、患者に向き合うケアが極端に少なくなっている現在、日々の看護に満たされぬものを感じ、意欲さえそがれている看護職に、“画像・データからの身体”ではなく“生きるからだ”に向き合うケアへの回帰を論じ、“人をケアすること”の本質にも迫る、看護職必読の書です。

第I部 ‘からだ’を離れる

第一章 一九七○年代の頃-看護技術の科学化という趨勢のなかで

第二章 “からだ”に纏う力とリアリティーを求めて

一 看護行動の根拠としての,私の“身体”-Kさんのケーススタディ雑考
二 事実のなかから思いをくみとる-認識過程での主体(私)の問題としての想像力
三 “診ること,看ること”の内なる素描(その2)

第II部 “からだ”への回帰-その試み

第一章 「身体論」学習会のはじまり

一 「身体論」学習会の紹介
二 基盤となる“からだ”

第二章  私(たち)のからだ

一 生活している身体に近づくために
二 “住み慣れる”ことを支える
三 傍らで“病む”家族
四 “息”をすること
五 痛みについて
六 “居づらさ”の経験
七 食べること
八 呼吸にケアする身体
九 看護する“手”
一○ 保健師という名のかまえ
一一 動きの抑制

第III部 いま,なぜ身体論なのか

第一章 看護ケアを問い直す

一 「いま」の医療の問題系
二 効率化の罠
三 管理による暮らしの忘却と再発見
四 細分化への違和感
五 「いま」再び身体へ

第二章 身体論に学ぶ

一 自らの経験を取り戻す
二 人間的現実の回復へ
三 他(世界)とともにある私

第三章 看護実践の知の探求へ

一 つながりのなかで成り立つ実践
二 私の身体に現れる実践
三 身体が導く実践「知」の可能性

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