臨床工学技士のための 高気圧酸素治療入門
- 定価 2,420円(税込)
- 監修:日本臨床高気圧酸素・潜水医学会
- 編集:高気圧酸素治療装置操作技師認定委員会
- 2版・B6・170ページ・並製
- 発行年月:2013年07月
- ISBN 978-4-89269-811-8
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
本書は、高気圧酸素治療を安全に運用するために知っておくべき知識を収載した、高気圧酸素治療の入門書です。
初版から5年がたった本改訂では、より現場指向を意識し、安全面での記述を加筆しました。また、初版には掲載していなかった学会制定「高気圧酸素治療のガイドライン」を追加掲載しています。
日本高気圧潜水医学会(JACHOD)の認定資格である「臨床高気圧酸素治療装置操作技師」を取得するための認定コースのテキストとしても使われています。
I部 総 論
1 日本臨床高気圧酸素・潜水医学会の理念
2 日本臨床高気圧酸素・潜水医学会専門医制度と高気圧酸素治療装置操作技師認定制度について
3 高気圧酸素治療装置操作技師認定制度の目標と認定コースの意義
4 わが国における高気圧酸素治療の現況
高気圧酸素治療装置の偏在/高気圧酸素治療に携わるスタッフ/高気圧酸素治療の適応に関する問題点/装置導入医療機関の責務/高気圧酸素治療の卒前・卒後教育
5 高気圧酸素治療装置操作技師の役割 -地域医療という観点など-
医療職種が病院で働くという意味/良質な地域医療の実践/チーム医療と高気圧酸素治療装置を操作する技師の役割/高気圧酸素治療に関する安全と安心
II部 基礎編
1 高気圧環境の物理学
呼吸生理/高気圧環境の全身への影響/圧外傷
2 高気圧環境の生理学-酸素効果と毒性
高気圧酸素の生理学的作用と有用性/高気圧酸素の毒性と酸素中毒の病態
3 高気圧酸素治療装置の構造と機能
薬事法と装置/装置の製造と装置内で用いる機器に関わる規格と基準/第1 種装置/第2 種装置/自動制御と手動操作
4 高気圧酸素治療関連のME機器
装置内で使用する機器の制約/第1 種装置で使用できる機器/第2 種装置で使用できる機器
III部 臨床編
1 総論
高気圧酸素治療の適応疾患/高気圧酸素治療と再圧治療/治療テーブルの種類とその選択基準,開始時期と回数,終了時期について/重症貧血(輸血拒否患者;エホバの証人など)への適応について
2 高気圧酸素治療の適応疾患概論
(1) 脳疾患
脳梗塞/脳塞栓症/くも膜下出血/外傷や術後の急性脳浮腫/脳腫瘍/放射線壊死
(2) 脊髄,脊椎疾患
病態と診断/治療テーブルの選択/治療終了の判断
(3) 外傷
熱傷/外傷性挫滅症候群/コンパートメント(筋区画)症候群/横紋筋融解症/デグロービング損傷/凍傷/スポーツ外傷(捻挫,筋挫傷,靱帯損傷)/多発外傷/開放骨折
(4) 消化器疾患,泌尿器疾患,MOF
総論:消化器および泌尿器/各論:消化器について/各論:泌尿器疾患について
(5) 難治性創傷
糖尿病性皮膚潰瘍・壊疽/ガス壊疽/うっ滞性静脈炎による皮膚潰瘍/急性・慢性骨髄炎/壊死性筋膜炎/縦隔炎/腸腰筋膿瘍/急性リンパ管炎/透析シャント感染創/動物咬傷( イヌ,ネコ,ヘビ,魚類,クモ,クラゲ,イソギンチャク)/膠原病などの特定疾患に伴う軟部組織やその他の病変
(6) 中毒
一酸化炭素中毒/シアン(青酸)中毒/その他の中毒
(7) 末梢神経,血管疾患,その他
末梢神経疾患/末梢血管疾患
3 減圧症(潜水病)と動脈ガス塞栓症
減圧症の原因/減圧症の病型分類と症状/減圧症と鑑別の必要な症状/動脈ガス塞栓症/減圧症・動脈ガス塞栓の治療/減圧症患者の処置と搬送/減圧症治療後の注意点/減圧症以外にダイビングで注意すべき病態
4 高気圧酸素治療の安全管理
ガイドラインと患者管理の基本/装置の安全性と選択/治療の適応と管理/インフォームド・コンセント/患者管理の基本(リスクと合併症)/小児の管理/中高年の管理
5 高気圧酸素治療の収支(診療報酬と経費)
高気圧酸素治療における収支状態/包括評価制度と高気圧酸素治療/非包括評価の場合
IV部 本学会指定施設における研修
1 実地研修のねらい
2 実地研修で学ぶべきこと
多くの診療科での適応疾患や患者ケアの実際を体験する/認定施設の操作技師による安全な装置操作や保守管理の実際をみる/高気圧酸素治療装置を維持するためのコストパフォーマンスを学ぶこと
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