立つ・歩くことを考えた 脳性まひ児のリハビリテーション
-運動機能獲得へのアプローチ-
- 定価 2,970円(税込)
- 編著:坂根 清三郎
- 編著:湯澤 廣美
- 編著:山本 智子
- B5・184ページ・並製
- 発行年月:2017年11月
- ISBN 978-4-89269-935-1
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
お座りしそうでなかなかできない。歩けそうで歩けない。
さまざまな訓練・指導を行っても予想したような成果がみられない。
そのような子どもたちに対して、訓練が適切でないのか、
脳の損傷が大きすぎるから仕方がないのか、と悩みます。
運動機能障害児の運動発達の可能性を追求してきた編者らの、渾身の一冊。
【本書の概要】
子どもの発達に沿った効果的な運動機能訓練を行うために重要なストレッチをはじめ、経験的に実証・検証してきたLS-CC松葉杖訓練法を紹介。
【ポイント】
・脳性まひの子どもの運動機能獲得に向けて重要なストレッチの方法を解説。
・立つ・歩くことを目標に行っている、子どもの発達に沿った運動機能訓練とLS-CC松葉杖訓練法を紹介。
・セラピストによる訓練とともに大切な教育機関や家庭での取り組みを紹介。
・上記に関して、いずれも豊富な写真や事例により、わかりやすくなっています。
【関連書籍】
『重症心身障害児のトータルケア;新しい発達支援の方向性を求めて 改訂第2版』
『ケアの基本がわかる 重症心身障害児の看護;出生前の家族支援から緩和ケアまで』
『ケアの基本がわかる 重症心身障害児の看護計画;ライフステージにそった乳幼児期から成人期まで』
『小児看護』2017年7月号特集「てんかんをもつ子どもと家族への支援;将来を見据えた支援を考える」
『小児看護』2016年12月号特集「高次脳機能障害のある子どもへの支援」
『小児看護』2014年7月増刊号特集「小児の在宅看護;子どもと家族を主体とした支援」
第I章 子どもの正常発達と運動障害児の特徴
1.新生児の特徴とその発達経過
2.運動障害児の成長と発達
第II章 ストレッチの重要性 ー効果的な運動機能訓練を行うためにー
1.運動機能訓練を始めるにあたって
2.ストレッチを行うには
3.ストレッチの方法
4.整形外科手術,筋弛緩薬,ボトックス注射
〈参考〉
①バクロフェン髄腔内投与
②脳神経外科手術
第III章 子どもの発達に沿った運動機能訓練
1.発達の流れをとらえた訓練
2.I期:仰臥位→腹臥位→首の座り(頸定)→寝返り→持ち込み坐位
3.II期:持ち込み坐位→肘這い→自力坐位→四つ這い移動(尻這い・いざり這いを含む)
4.III期:つかまり立ち→伝い歩き→独歩
5.IV期:応用歩行
第Ⅳ章 LS-CC松葉杖訓練法の実際
1.LS-CC法に必要な道具・装具とその作製
2.LS-CC法の開発のきっかけとなった松葉杖訓練
3.LS-CC法の各訓練(LS,CC,松葉杖)
4.訓練内容の時間的配分
5.LSの長下肢装具の高さと安定板の大きさ
6.補装具と道具の考え方
7.LS-CC法と手術
8.運動機能障害児の継続した訓練の必要性
9.中途障害児への適応
10.運動発達の土台の育成
11.二次障害を防ぐ
第Ⅴ章 ケース報告
障害にまひがあったケース
1.痙直型
2.アテトーゼ型
3.失調型
4.低緊張型(弛緩型)
5.強剛型
6.混合型
知的障害やまれなケース
1.知的障害による運動機能発達遅滞
2.頭蓋骨縫合早期癒合症
知的障害が主な障害であるケース
第Ⅵ章 学校や家庭での取り組み
1.学校や家庭でしなければならないこと
2.LS-CC法のすすめ
3.特別支援教育とLS-CC法
資料1 LS-CC松葉杖訓練法の歩み
資料2 LS-CC松葉杖訓練法による指導をして50年