改訂第2版 外傷専門診療ガイドライン JETEC
戦略と戦術,そしてチームマネジメント
- 定価 13,200円(税込)
- 監修:一般社団法人 日本外傷学会
- 編集:日本外傷学会外傷専門診療ガイドライン改訂第2版編集委員会
- 第2版・512ページ・並製
- 発行年月:2018年06月
- ISBN 978-4-89269-954-2
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
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本邦外傷学の到達点『JETEC』全面改訂
[本書の概要]
日本外傷学会は,外傷専門医を「緊急度・重症度の高い外傷に対して,限られた時間内に,横断的に検査や治療の優先順位を判断でき,外傷診療に精通したリーダーとなる医師」と定義しています。本書は,外傷専門医が備えるべき知識をまとめた診療ガイドライン,その完成度をより高めた改訂版です。
外傷専門医・外傷専門医を目指す医師のみならず,外傷に携わる医師必携の一冊です。
[本書のポイント]
・外傷診療で必要とされる「戦略」(診療の組み立て・管理能力)と「戦術」(知識・技能)を網羅的・客観的に記載。
・Eastern Association for the Surgery of Trauma(EAST)のguidelines practice managementやBrain Trauma FoundationのGuidelines for the Management of Severe Traumatic Brain Injuryなど外傷に関する最新のガイドラインの内容を反映。
・外傷診療におけるチームマネジメントの重要性を鑑み「チームアプローチ」を充実させ,第2章に配置。
・受講可能なoff-the-job trainingコースをプログラム付きで紹介。
1章 外傷診療体系論
はじめに
Ⅰ 外傷診療体系
Ⅱ 外傷診療方法論
Ⅲ 外傷診療に求められる能力
Ⅳ 外傷診療体制
Ⅴ 重症外傷患者を診療する施設の要件
2章 チームアプローチ
Ⅰ 外傷診療におけるチームアプローチ
Ⅱ チームアプローチの実際
Ⅲ チームアプローチの評価
Ⅳ non-technical skills教育
3章 外傷治療戦略と戦術
1 蘇生に必要な治療戦略と戦術
A 外傷蘇生の考え方
■はじめに
■Ⅰ ABCの安定化のための戦略
B ダメージコントロール戦略
■はじめに
■Ⅰ ダメージコントロール戦略の理論
■Ⅱ ダメージコントロール戦略の適応判断
■Ⅲ ダメージコントロール戦略の手順;damage control surgeryを中心に
C Damage control resuscitation
■はじめに
■Ⅰ 外傷蘇生に必要な病態生理
■Ⅱ 大量出血のコントロール(STOP the Bleeding Campaign)
■Ⅲ damage control resuscitationの要素
■おわりに
D 蘇生的開胸術(RT)
■はじめに
■Ⅰ RTの目的と適応
■Ⅱ 胸部外傷に対するRT
■Ⅲ 胸部下行大動脈遮断のためのRT
■Ⅳ RTの戦術
E 蘇生的開腹術(damage control laparotomy)
■はじめに
■Ⅰ 開腹法
■Ⅱ 開腹直後の術野展開と一時的止血操作
■Ⅲ 腹腔内の検索
■Ⅳ 後腹膜の展開
■Ⅴ 一時的閉腹法
F 蘇生に必要なIVR
■はじめに
■Ⅰ 外傷診療におけるIVRのあり方
■Ⅱ 外傷IVRに必要な要素
■Ⅲ 蘇生を目的としたIVR
■Ⅳ REBOA/IABO
■Ⅴ ステントグラフトを用いた止血
2 外傷診療戦略におけるCTの役割
Ⅰ CTの位置づけとそのあり方
Ⅱ CTと読影の実際
Ⅲ 治療方針を考えるための基本8項目(ABCDEFGS)
3 損傷部位別の治療戦略と戦術
A 頭部外傷
■はじめに
■Ⅰ 頭部外傷初期診療総論
■Ⅱ 重症頭部外傷が全身に与える影響
■Ⅲ 頭部外傷の治療戦略
■Ⅳ 損傷別治療戦術
■Ⅴ 頭部外傷の治療限界
B 顔面外傷
■はじめに
■Ⅰ 診療上の注意点
■Ⅱ 治療戦略と戦術
C 頸部外傷
■はじめに
■Ⅰ 病態と治療法
■Ⅱ 治療戦略
D 胸部外傷
■はじめに
■Ⅰ 病態と治療法
■Ⅱ 外科的治療とIVR
■Ⅲ 胸部外傷に対する治療戦略と戦術
E 腹部外傷
■はじめに
■Ⅰ 腹部外傷の診療手順
■Ⅱ 穿通性腹部外傷の治療戦略
■Ⅲ 肝損傷の治療戦略と戦術
■Ⅳ 脾損傷の治療戦略と戦術
■Ⅴ 腎損傷の治療戦略と戦術
■Ⅵ 膵損傷の治療戦略と戦術
■Ⅶ 十二指腸損傷の治療戦略と戦術
■Ⅷ 管腔臓器損傷の治療戦略と戦術
F 四肢外傷
■はじめに
■Ⅰ 四肢骨折
■Ⅱ 脱臼,脱臼骨折
■Ⅲ 軟部組織損傷
■Ⅳ 開放骨折
■Ⅴ 四肢主動脈損傷
■Ⅵ 神経損傷
■Ⅶ mangled extremity
■Ⅷ 圧挫症候群
G 骨盤外傷
■はじめに
■Ⅰ 分 類
■Ⅱ 診 断
■Ⅲ 治療戦略と戦術
H 脊椎・脊髄外傷
■はじめに
■Ⅰ 診 断
■Ⅱ 急性期の治療戦略
I 大血管損傷
■はじめに
■Ⅰ 疫学と分類
■Ⅱ 治療戦略
J 尿路性器外傷
■はじめに
■I 尿管損傷
■Ⅱ 膀胱損傷
■Ⅲ 尿道損傷
■Ⅳ 性器損傷
4 多発外傷
はじめに
Ⅰ 定義
Ⅱ 疫学
Ⅲ 病態の生理学的判断
Ⅳ 重症頭部外傷を伴う多発外傷
Ⅴ 整形外科外傷を伴う多発外傷
5 爆傷
Ⅰ 総論
Ⅱ 各論
6 外傷周術期戦略と集中治療管理
A 周術期戦略
■はじめに
■Ⅰ 周術期管理に必要な病態生理
■Ⅱ 術前評価
■Ⅲ 術中麻酔管理
■Ⅳ 術後管理
■Column 凝固機能の評価法
B 気道・呼吸管理
■はじめに
■Ⅰ 気道管理
■Ⅱ 呼吸管理
C 循環管理
■はじめに
■Ⅰ 循環の評価
■Ⅱ 循環管理
D 頭蓋内圧管理
■はじめに
■Ⅰ 頭蓋内圧の病態生理
■Ⅱ 頭蓋内圧モニタリング
■Ⅲ 頭蓋内圧の波形
■Ⅳ 神経集中治療における指標としての頭蓋内圧
■Ⅴ 頭蓋内圧亢進に対する対応
E 痛み・不穏・せん妄の管理
■はじめに
■Ⅰ 概 要
■Ⅱ 痛みの評価とその対処
■Ⅲ 不穏・鎮静の評価とその対処
■Ⅳ せん妄の評価とその対処
■まとめ
F 外傷後の感染対策
■はじめに
■Ⅰ 頭部外傷における感染予防
■Ⅱ 胸部外傷における感染予防
■Ⅲ 腹部外傷における感染予防
■Ⅳ 四肢外傷における感染予防
■Ⅴ 皮膚創傷における感染予防
G 外傷と敗血症
■はじめに
■Ⅰ 敗血症の定義
■Ⅱ 敗血症の疫学
■Ⅲ 敗血症の病態;血管内皮障害とDICの関与
■Ⅳ 外傷後にみられる免疫能の変化とtwo-hit response
■Ⅴ 外傷後敗血症発症のリスク因子
■Ⅵ 外傷後敗血症の迅速診断
■Ⅶ 敗血症に対する治療
H 外傷後の凝固線溶管理
■はじめに
■Ⅰ 外傷と局所・全身反応
■Ⅱ 外傷性凝固障害
■Ⅲ 外傷性凝固障害の診断
■Ⅳ 外傷性凝固障害の管理の考え方
I 外傷後の腹腔内圧管理
■はじめに
■Ⅰ 腹腔内圧上昇と腹部コンパートメント症候群の病態
■Ⅱ 腹腔内圧上昇時の臓器障害
■Ⅲ 腹部コンパートメント症候群の予防
■Ⅳ 腹腔内圧測定法
■Ⅴ アルゴリズムと管理
J 外傷後の静脈血栓塞栓症の予防と処置
■Ⅰ 静脈血栓塞栓症の概念
■Ⅱ 静脈血栓症の予防
■Ⅲ 外傷患者における静脈血栓塞栓症の治療
■Ⅳ 外傷患者における静脈血栓塞栓症の予防・治療戦略
K 脂肪塞栓症
■はじめに
■Ⅰ 疫 学
■Ⅱ リスク因子
■Ⅲ 発生機序
■Ⅳ 診 断
■Ⅴ 治 療
■Ⅵ 予 防
■Ⅶ 転 帰
L 栄養管理
■はじめに
■Ⅰ エネルギー代謝変動
■Ⅱ エネルギー消費量の推定
■Ⅲ 目標投与カロリー
■Ⅳ 各栄要素の投与量
■Ⅴ 栄養投与経路
■Ⅵ 経腸栄養の投与方法
■Ⅶ 経腸栄養剤
■Ⅷ 経鼻栄養チューブの留置位置
■Ⅸ 経腸栄養のモニタリング
■Ⅹ 逆流誤嚥
■Ⅺ 栄養状態の評価とモニタリング
■Ⅻ 血糖管理
4章 外傷急性期リハビリテーション・社会復帰戦略
はじめに
Ⅰ 重症外傷に対する急性期リハビリテーション
Ⅱ 集中治療中からリハビリテーションを開始することの意義
Ⅲ 脳卒中に対する急性期リハビリテーション
Ⅳ 頭部外傷に対するリハビリテーション
Ⅴ 脊髄損傷に対する急性期リハビリテーション
Ⅵ 四肢外傷に対する急性期リハビリテーション
まとめ
5章 Off-the-job training
1 国際的コース例の紹介
Ⅰ ATOM (Advanced Trauma Operative Management)コース
Ⅱ DSTC(Definitive Surgical Trauma Care)コース
Ⅲ ASSET(Advanced Surgical Skills for Exposure in Trauma)コース
Ⅳ AOコース
2 国内のコース例の紹介
Ⅰ JETECコース
Ⅱ Surgical Strategy and Treatment for Trauma (SSTT)コース
Ⅲ DIRECTセミナー
Ⅳ 献体による外傷手術臨床解剖学的研究会
Ⅴ 日本骨折治療学会研修会
欧文略語一覧
索引