改訂第4版 救急診療指針絶版
- 定価 18,480円(税込)
- 監修:日本救急医学会
- 編集:日本救急医学会 専門医認定委員会
- 4版・A4・820ページ・並製
- 発行年月:2011年04月
- ISBN 978-4-89269-725-8
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
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日本救急医学会救急科専門医認定制度の2011年からの大幅改定にあわせ、旧版の項目(目次)を全面的に見直し、救急診療に関するあらゆる知識・技術をわかりやすく再構成。執筆者も全面的に刷新した全面改訂版です。
各領域の診療ガイドラインとの整合性を視野に入れ、最新のエビデンスを基に救急診療に必要な最新の知識を網羅しました。索引や欧文略語一覧などもさらに充実し救急に携わる医師必読の一冊です。
I章 救急医学総論
1.救急医療と救急医学
救急医療・救急医学の歴史/救急患者/救急医療の定義・概念,救急医療の守備範囲/救急医学の定義,救急医学体系とその特色/救急科専門医制度・指導医制度とその歴史,内容,人員分布/関連領域(総合診療,プライマリケア,集中治療医学など)とのかかわり/各科専門医への依頼の時機/現状と将来
2.救急医療体制
救急診療体制/救急搬送体制など
3.救急診断学と救急治療学
救急診断学と救急治療学の特徴/救急疾患の分類と診断治療の原則/救急診断の手順/救急治療の手順/救急診断・治療の標準化と教育/救急診断・治療におけるチーム医療と救急医の役割
II章 病院前救急医療
1.病院前救護体制
病院前救護体制の歴史/メディカルコントロール(MC)体制/病院前救護体制の将来展望
2.病院前診療体制
病院前診療の基本/ドクターカーの運用/ドクターヘリの導入と運用
III章 心肺蘇生法・救急心血管治療
1.心肺蘇生法の原理
胸骨圧迫による心拍出のメカニズム,冠灌流圧/胸骨圧迫の方法と冠灌流圧/胸腔内圧上昇の悪影響とfull chest recoil/過換気の弊害/胸骨圧迫のみのCPR/レスキューブレスが削除された理由
2.ガイドライン2010
ILCOR(ERC),RCA(JRC),AHAのガイドライン2010/国際蘇生連絡委員会(ILCOR)/ヨーロッパ蘇生協議会(ERC)/アジア蘇生協議会(RCA)/アメリカ心臓協会(AHA)/ウツタイン様式/ウツタイン様式の歴史/ウツタイン様式の意義/ウツタイン様式の導入
3.成人の救命処置
一次救命処置(BLS)/二次救命処置(ALS)
4.薬剤投与と緊急薬剤
薬剤投与/緊急薬剤
5.徐脈(拍)と頻拍(脈)
概 要/徐脈(拍)/頻拍(脈)
6.心血管治療
急性冠症候群(ACS)/神経蘇生
7.特殊状況下の救命処置
妊婦に対するwedged position/気管支喘息による心停止/薬物過量投与と中毒/冠動脈カテーテル中の心停止,心臓手術後の心停止/心タンポナーデによる心停止/その他の特殊状況下の救命処置
8.小児の救命処置
小児の定義/救命の連鎖/呼吸障害とショックの早期認識と初期対応/小児の一次救命処置/小児の二次救命処置と不整脈治療/ショックと特殊な状況/ECPRとROSC後の管理
9.心停止後症候群の病態と集中治療
心停止後症候群/心拍再開後の集中治療/予後の判定
IV章 ショック
1.総 論
ショックの定義/ショックの分類/ショックに共通する初期診断/ショックに共通する基本初期治療
2.各種ショックの病態生理・診断・治療
循環血液量減少性ショック/心原性ショック/心外閉塞・拘束性ショック/血液分布異常性ショック
V章 救急初期診療
1.初期対応
標準予防策/初期対応と全身観察/気道評価と対策
2.救急検査
救急検査の選択と評価/救急心電図/救急画像診断の基本
3.救急薬剤
薬物作用・動態,投与法/各種薬剤
4.輸液・輸血療法
輸液療法/輸血療法
VI章 救急手技・処置
1.基本手技・処置
気管挿管/電気ショック(同期・非同期)/胸腔ドレーン挿入/中心静脈カテーテル挿入/動脈穿刺と血液ガス分析/観血的動脈圧測定/超音波検査(FAST含む)/胃管挿入・胃洗浄/腰椎穿刺/創傷処置(汚染創の処置)/骨折整復・固定法/気管支鏡検査/機械的換気による呼吸管理/緊急血液浄化法
2.専門手技・処置
気管切開/輪状甲状間膜穿刺・切開/緊急ペーシング/心嚢穿刺・心嚢開窓術/開胸式心マッサージ/肺動脈カテーテル挿入/IABP導入・実施/PCPS導入・実施/大動脈遮断用バルンカテーテル挿入/消化管内視鏡検査/イレウス管の挿入/SBチューブ挿入/腹腔穿刺・腹腔洗浄/ICPモニタ/腹腔(膀胱)内圧測定/筋区画内圧測定/減張切開/緊急IVR/全身麻酔
VII章 救急症候に対する診療
1.意識障害
症候の特徴と診療の流れ(見逃してはならない病気/病態)/初期診療と評価/鑑別診断
2.失 神
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
3.めまい
症候の特徴と診療の流れ/初期治療と評価/まとめ
4.頭 痛
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
5.痙 攣
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価
6.運動麻痺,感覚消失・鈍麻
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価
7.胸 痛
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価
8.動悸(不整脈を含む)
病態生理/診 断/不整脈の救急治療と循環管理
9.高血圧緊急症
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
10.呼吸困難
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
11.咳・痰
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
12.喀 血
症候の特徴と診療の流れ/病歴の聴取/初期診療と評価/緊急度の評価・緊急処置/鑑別診断
13.吐血,下血
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
14.腹 痛
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
15.悪心・嘔吐
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
16.下 痢
症候の特徴と診療の流れ/発生機序/初期診療と評価
17.腰痛・背部痛
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/初期診療での画像検査/追加検査(重症度の評価)/レッドフラッグサイン・鑑別診断
18.乏尿・無尿
症候の特徴と診療の流れ/初期治療と評価
19.発熱,高体温
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
20.倦怠感・脱力感
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価
21.皮 疹
症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/鑑別診断
22.精神症候
概 要/せん妄/症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/幻覚・妄想状態/症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/不 安/症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価/うつ状態/症候の特徴と診療の流れ/初期診療と評価
VIII章 急性疾患に対する診療
1.神経系疾患
概 説/疾患分類と鑑別診断の要点/脳血管障害/静脈洞血栓症/中枢神経感染症/痙攣性疾患
2.心大血管系疾患
急性冠症候群/急性大動脈解離/急性肺血栓塞栓症
3.呼吸器系疾患
概 説/疾患・病期分類・鑑別の要点/上気道病変/気管支喘息/COPDの急性増悪/感染性肺炎/間質性肺疾患/縦隔疾患/胸膜疾患/過換気症候群
4.消化器系疾患
概説(定義,病態生理)/疾患・病期分類と鑑別診断の要点/食道・胃静脈瘤破裂/急性胃炎,急性胃・十二指腸潰瘍/急性腸炎/急性虫垂炎/消化管穿孔・腹膜炎/急性膵炎/急性胆管炎,急性胆嚢炎/腸閉塞(イレウス)/腸間膜血管障害(上腸間膜動脈閉塞症など)/その他(大動脈瘤,ヘルニア,婦人科疾患,泌尿器科疾患など)
5.代謝・内分泌系疾患
概説(定義,病態生理)/疾患・病期分類と鑑別診断の要点/低血糖症/高血糖性昏睡/急性副腎不全/甲状腺クリーゼ
6.血液・免疫系疾患
概 説/疾患分類と鑑別診断の要点/急性白血病/悪性リンパ腫/血球貪食症候群/AIDS(後天性免疫不全症候群)
7.運動器系疾患
化膿性関節炎/単純性股関節炎/痛風発作/偽(性)痛風/石灰沈着性腱炎/骨腫瘍/化膿性脊椎炎/脊椎椎間板ヘルニア/脊椎靱帯骨化症
8.特殊感染症
破傷風/壊死性軟部組織感染症
IX章 外因性救急に対する診療
1.外 傷
外傷総論/外傷各論(頭部外傷/脊椎・脊髄損傷/顔面・頸部外傷/胸部外傷/腹部外傷/骨盤外傷/四肢外傷/多発外傷)
2.熱 傷
重症熱傷/気道熱傷/化学熱傷/電撃傷
3.急性中毒
急性中毒治療の原則/中毒物質の同定/試料採取と保存/未吸収および既吸収物質の排除/解毒薬・拮抗薬/抗精神病薬中毒/抗うつ薬中毒/ベンゾジアゼピン系薬物中毒/バルビツール酸中毒/アセトアミノフェン中毒/有機リン・カーバメート中毒/シアン・硫化水素中毒/一酸化炭素中毒/パラコート・ジクワット中毒/腐食性物質中毒
4.環境障害・溺水
熱中症/低体温症/凍 傷/気圧障害/溺 水
5.異物,刺咬症
異 物/刺咬症
6.アナフィラキシー
病態生理/症 状/検査・診断/治 療/診療上の注意点
X章 小児および特殊救急に対する診療
1.小児科領域
患者評価と初期対応/トリアージ/発 熱/痙攣重積/気管支喘息重積発作/SIDS(乳児突然死症候群)/急性脳症/化膿性髄膜炎/細気管支炎/急性喉頭蓋炎/クループ/急性心筋炎/腸重積症/被虐待児症候群(child abuse)
2.精神科領域
概説と診療の要点/入院形態/自傷行為,自殺企図/うつ病/統合失調症/境界性パーソナリティ障害/パニック障害/アルコール離脱症状/向精神薬の副作用
3.産婦人科領域
概説と診療の要点/産科疾患/婦人科疾患
4.泌尿器科領域
概説と診療の要点/尿路感染症/尿路結石/精索(精巣)捻転/精巣上体炎/血 尿/尿 閉/泌尿器外傷/嵌頓包茎/その他
5.眼科領域
軽症ではあるが救急外来に受診する頻度が高い疾患/急激な視力低下をきたす疾患/眼 痛/外 傷/緑内障
6.耳鼻咽喉科領域
耳疾患/急性中耳炎/乳突洞炎/突発性難聴/めまいをきたす疾患/鼻疾患/鼻出血/鼻腔異物/咽喉頭疾患/急性咽頭炎・扁桃炎/扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍/急性喉頭蓋炎/咽頭異物/その他/食道異物/気管・気管支異物
XI章 重症患者に対する診療
1.重症患者と集中治療救
急医療と集中治療/集中治療室の管理・運営
2.侵襲と生体反応
生体侵襲と生体反応/神経内分泌反応/免疫炎症反応/凝固・線溶反応/生体反応の連関/結 語
3.重症度評価
ICU入室患者および外傷患者の重症度評価/ICU入室患者の重症度評価/外傷患者の重症度評価
4.重症患者管理
頭蓋内圧亢進/急性呼吸不全(ALI/ARDS)/急性心不全/急性肝不全/急性腎不全/SIRS,sepsis,MODS/電解質・酸塩基平衡異常/凝固・線溶系異常/感染制御/栄養管理/鎮痛・鎮静管理
XII章 災害医療
1.総 論
災害医療の定義・目的/災害医療と救急医療の違い/災害の種類/災害サイクル/災害医療の実践(CSCATTT)/災害時の法律/災害医療体制/大規模災害に対する国の対応/災害と精神医療/国際災害
2.DMAT
DMATとは/DMATの意義/DMATの活動
3.マスギャザリング(群衆)
マスギャザリングでの医療支援/傷病者発生のリスクファクター/マスギャザリングへの警備体制との連携/医療体制の構築
4.CBRNE
安全管理/CBRNEテロリズムにおける診療原則/爆弾テロ
5.緊急被ばく医療
電離放射線の種類と特徴/放射線による生体への急性障害/放射線事故・災害における初期医療対応の特徴/わが国における緊急被ばく医療体制
XIII章 救急医療の質の評価 ・安全管理
1.救急医療の質の評価
救急医療の質の評価/救命救急センターのあり方と評価/医療の質と医療経済/まとめ
2.外傷診療の質の評価
AISコーディング/外傷データバンクの意義
3.医療安全管理
医療安全管理の基本的なとらえ方/救急医療と医療安全管理/医療事故と発生時の対応/まとめ
XIV章 救急医療と医事法制
1.検死と検案など
異状死体の届出/診療関連死の届出/警察官の検視によるふるい分け/警察医による検死/監察医制度/検死の方法/死亡診断書と死体検案書
2.医師の法的義務(届出・守秘義務)
応召義務/診断書交付の義務/異状死の届出義務/麻薬患者届出の義務/食中毒患者の届出の義務/感染症患者の届出の義務/守秘義務
3.虐待と暴力
暴力に関する法律/暴力行為による被害者の来院/性暴力被害者/児童虐待の防止等に関する法律/配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律/ストーカー行為等の規制等に関する法律/高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律/身体障害者の虐待/患者による医療妨害行為
4.社会的弱者に対する医療
老人福祉法/障害者自立支援法/母子及び寡婦福祉法/一般特定疾患,小児慢性特定疾患/児童福祉法/行旅病人及び行旅死亡人取扱法/生活保護法
5.脳死と臓器移植
歴史と現状/臓器移植法/法的脳死判定/臓器移植の流れ
XV章 医療倫理
1.生命倫理と医療倫理
人権の2つの側面:価値とルールからみた患者の権利/医療倫理:原則論/医療倫理:手順論
2.インフォームドコンセント
人間的な自由と自己決定権/怪我や病気の本質/医学・医療の進歩と人間的な自由/救急医療におけるインフォームドコンセント
3.終末期医療
終末期医療とは―原則と理念/終末期+医療/倫理的な正しさ
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