脾臓
基礎と臨床
- 定価 13,200円(税込)
- 編集:冲永 功太(帝京大学医学部外科)
- A4・410ページ・並製
- 発行年月:2011年05月
- ISBN 978-4-89269-726-5
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
重量わずかに70~100gの脾臓は、消化器系、循環器系、内分泌系などには分類されず、それゆえに神秘の臓器、silent organ と呼ばれ、その研究も少数の研究者にゆだねられてきた。
古くは、感染症との関連から、生体防御器官であることが判明していたが、未だ、細部にわたってその機能のすべてが解明されたわけではない。最近では、胃癌をはじめとする消化器癌との関連も研究成果として現れ、その機能の解明に新たな視界が開けてきている。
本書は、現在明らかにされている脾臓の機能・研究のすべてをその歴史から説き起こし、網羅した、わが国で唯一の成書である。初学者はもちろん、脾臓の臨床・研究に携わる医師必携の一書。
I 基礎的事項
脾臓の構造と発生/解 剖/生理機能/脾臓と肝臓の免疫相関 脾腫のメカニズムと移植免疫/感染免疫と腫瘍免疫
II 臨 床
検査法
脾臓の画像診断/脾臓の機能検査
脾臓と関連した疾患
A.脾原発の疾患
無脾症候群,多脾症候群/遊走脾/門脈還流異常症/小児の脾損傷/成人の脾損傷/原発性脾腫瘍/転移性脾腫瘍/脾原発悪性リンパ腫/脾嚢胞/脾膿瘍/脾動脈瘤
B.血液疾患
遺伝性球状赤血球症/成人を中心とした特発性血小板減少性紫斑病/小児を中心とした特発性血小板減少性紫斑病/Helicobacter pylori と特発性血小板減少性紫斑病/自己免疫性溶血性貧血/血栓性血小板減少性紫斑病
C.続発性脾臓機能亢進症
特発性門脈圧亢進症/肝外門脈圧亢進症/肝硬変症による門脈圧亢進症/慢性骨髄性白血病/骨髄様異形成/Felty 症候群/Gaucher 病
D.胃癌および他の悪性腫瘍と脾臓
胃癌と脾臓/悪性腫瘍と脾臓
E.肝疾患と脾臓
肝硬変における脾摘と部分的脾動脈塞栓術(PSE)/肝硬変合併肝癌―術前脾摘について/肝硬変合併肝癌―術前部分的脾動脈塞栓術(PSE)について/ABO 血液型不適合生体肝移植と脾摘の可否/肝移植と脾摘/IFN 療法と脾摘
脾臓の外科
開腹による脾摘術/小児における腹腔鏡下脾摘術/成人における腹腔鏡下脾摘術/脾臓再生―脾症と脾自家移植/脾縫合術,脾部分切除術,および脾自家移植/部分的脾動脈塞栓術(PSE)/脾摘後の合併症
III 脾臓に関連した研究
The Effect of Partial Splenectomy on Experimental Pneumococcal Bacteremia in an Animal Model/脾自家移植後の再生脾組織に関する実験的検討/N-methyl-N’-nitro-N-nitrosoguanidine 誘発胃癌細胞株移植ラットにおける脾臓の抗腫瘍免疫能の変化/Effect of Immunotherapy and Spleen Preservation on Immunological Function in Patients with Gastric Cancer/DMH 誘発ラット大腸癌における脾臓摘出の影響/Prevention of Pneumococcal Bacteremia by Immunization with Type 6 Pneumococcal Capsular Polysaccharide Vaccine in Splenectomized Rats/Optimal Site and Amount of Splenic Tissue for Autotransplantation/胃癌に対する胃全摘術における膵脾温存リンパ節郭清の臨床病理学的検討/メチルコラントレン誘発線維肉腫接種マウスにおける脾免疫能の検討/Dendritic Cell Vaccine Therapy by Immunization with Fusion Cells of Interleukin-2 Gene-Transduced, Spleen-Derived Dendritic Cells and Tumour Cells
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