グラウンドナースガイドブック
―看護師の病院外救急活動―
- 定価 4,400円(税込)
- 監修:日本病院前救急診療医学会, 一般社団法人日本在宅救急医学会, 一般社団法人臨床教育開発推進機構
- 編集:グラウンドナースガイドブック編集委員会
- 初版・A4・224ページ・並製
- 発行年月:2023年12月
- ISBN 978-4-86719-079-1
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
本書には電子書籍版があります。電子書籍版(個人向け)は下記よりご購入が可能です。
グラウンドナースガイドブック ―看護師の病院外救急活動―【電子版】
医書.jp: https://store.isho.jp/search/detail/productId/2406365730
m3.com電子書籍: https://www.m2plus.com/content/14245
メテオMBC: https://www.molcom.jp/products/detail/162606/
本邦初! 待望の
「ドクターカー同乗看護師=グラウンドナース」
のためのガイドブック
ドクターカーの意義とは「病院での医療を,緊急事態の現場に届けること」であり,医療資機材・医薬品を携行したドクターカーにより現場で迅速な医療提供を行うためには,医師と看護師が同乗し現場に向かうことが必須である。
わが国でのドクターカー活動の歴史は長いが,その多様性などから,「ドクターカー同乗看護師=グラウンドナース」に関する定義付けや整理,調査統計事業に時間を要してきた経緯があった。
しかし2018年からの全国ドクターカー協議会の検討や,2022年からの厚生労働省によるドクターカーに関する調査事業などに代表される機運の高まりを受け,より多くの医療従事者がグラウンドナースを理解し支援すること,そしてグラウンドナースが発展することを祈念し,このたび本ガイドブックが刊行された。
【本書のポイント】
グラウンドナース活動の実際を網羅
ドクターカーでの診療活動や,同乗看護の経験豊富な執筆陣による,実践に基づいた解説。ドクターカーの種類別,疾患・対象別のグラウンドナース活動の実際を学べる。
グラウンドナースの位置付けを整理
グラウンドナースの定義や,看護における位置付け,法的な位置付けが整理されており,知識を広く学べる。
ドクターカー活動の歴史,現状,連携を知る
病院外の救急活動を学ぶうえでの知識の整理,ドクターカー活動の歴史や現状,そしてグラウンドナースと連携するほかの搬送システムとのかかわりにつき学べる。
巻末資料として,
「ドクターカー運行マニュアル 第1版」掲載!!
序論
はじめに
編集委員会・執筆者一覧
監修学会・編集協力学会
第1章 病院外=out of hospital 救急活動概論
1 病院前救急医療(pre-hospital emergency medicine)の歴史
□病院前救急医療(pre-hospital emergency medicine)
□戦時の救急医療システム
□平時の救急医療システム
2 救急医療(emergency medicine)と病院前救護(pre-hospital care)
□救急隊員による病院前救急医療の処置
□救急救命士による病院前救急医療における救急救命処置
□わが国におけるドクターカー
3 わが国のドクターカー運用の現状
□「ドクターカーの運用事例等に関する調査研究事業」報告書より
4 out of hospitalと救急看護活動
5 out of hospitalと在宅救急医療
□在宅救急医療とは
□在宅ドクターカーの定義
□在宅ドクターカーとは
□在宅ドクターカーの運用要件
□在宅ドクターカーの人員要件
6 病院間搬送
□病院間搬送の目的・種類
□病院間搬送の診療報酬・加算
□グラウンドナースのかかわり
7 遠隔医療と情報管理
□遠隔医療(telemedicine)の定義
□遠隔医療の種類
□近年注目のオンライン診療
□遠隔医療を行うグラウンドナースに必要な情報の共有および管理技術
□アナログでの情報の管理と共有
8 災害医療
□災害の定義
□日本における災害医療
□災害に対する法律
□災害時の救急医療活動
□災害医療の基本
□国際受援
9 ドクターカー運用の安全管理
□ドクターヘリの安全運航
□ドクターカーにおける安全運行
第2章 グラウンドナース概論
1 グラウンドナースとは
□グラウンドナースの定義
□グラウンドナースの概念
□臨床判断,継続看護
2 グラウンドナースの位置付け
□1グラウンドナース活動上の法的位置付け
□□保健師助産師看護師法
□□看護師等の人材確保の促進に関する法律
□2グラウンドナースの看護における位置付け
□□グラウンドナースに求められる看護
3 グラウンドナースに必要な管理
□患者管理
□自己管理
□安全管理(自己防衛,危機管理)
□感染管理
□医薬品・医療機器・物品管理
□労務管理
4看護倫理・倫理的配慮
□看護職とは
□救急医療における意思決定支援
□病院外における意思決定支援
□家族対応の実際
5グラウンドナースが知っておくべき位置情報管理
□地図
□地理情報システム(GIS)
第3章 病院外救急看護活動とグラウンドナース
1 グラウンドナース活動の実際
□1 緊急車両による患者搬送の特徴・留意点
□□緊急車両としてのドクターカーの特徴
□□患者搬送中の留意点
□2 出動基準(目的別・地域別)
□□出動要請基準:消防要請型
□□出動要請基準:地域運用型
□□前橋市のドクターカー運行体制
□3 ドクターカー(準備〜現場活動〜車内活動〜医療施設)
□□出動方式
□□出動前準備
□□出動の流れ
□□要請のキャンセル
□□救急活動
□□病院選定
□□安全管理について
□4 ラピッド・ドクターカー
□5 病院間搬送
□□搬送前
□□搬送中
□□搬送後
□6 ECMOカー
□□ECMO transport
□□ECMOカーとは
□□準備
□□primary transportの現場活動
□□車内活動
□□医療施設
□7 在宅ドクターカー
□□活動の実際
□□在宅ドクターカーの資器材・物品
□□活動現場
□□在宅ドクターカーがつなぐ居住場所
2 グラウンドナースに必要な知識
□1 グラウンドナースに必要な解剖学的知識
□□救急現場で必要な解剖学的知識
□□傷病者観察や処置に必要な解剖学的知識
□2 内因性疾患
□□ショック
□□意識障害
□□胸痛
□□頭痛
□□呼吸困難・呼吸不全
□□構音障害・片麻痺
□3 外因性疾患
□□頭部外傷
□□胸部外傷
□□腹部外傷
□□脊椎・脊髄損傷
□□四肢・骨盤外傷
□□銃創・刺創・杙創
□4 小児患者への対応
□□小児の特徴
□□小児患者の対応のための準備
□□小児の内因性疾患
□□小児の外傷
□□小児患者の安全管理
□5 妊産婦への対応・周産期カー(NICU)
□□母体搬送
□□新生児搬送
□□母体・新生児搬送における安全管理
第4章 在宅救急医療
1 在宅救急医療におけるグラウンドナース
□1 看護師の立場から
□□在宅医療・看護の歴史
□□救急搬送
□□超高齢社会における課題
□□利用者(患者)の搬送方法
□□在宅医療におけるグラウンドナースの役割
□2 医師の立場から
□□在宅救急医療におけるグラウンドナース
□□具体的な病態像と看護師の対応
第5章 ほかの搬送システムとの連携
1 ドクターヘリとの連携
□ドクターヘリの歴史,運営・制度
□ドクターヘリの基本的知識
□ドクターヘリとの連携
2 救急車・消防との連携
□消防の位置付けと業務
□グラウンドナースと消防との協働場面
□訓練・教育
3 ワークステーションなど
□ワークステーションとは
□携行物品・薬剤
□現場での活動
□注意点
4 警察との連携
□事態対処医療とは
□事態対処現場における外傷対応の基本
□事態対処現場における傷病者対応の実際
5 海上保安庁との連携(洋上救急)
□海上保安庁の位置付けと業務
□海上保安庁のメディカルコントロール
□グラウンドナースと海上保安庁との協働場面
第6章 グラウンドナースに求められる能力
1 グラウンドナースに求められる能力と教育
□グラウンドナースに求められる能力(文献からの検討)
2 グラウンドナースのメンタルヘルス
□グラウンドナースが経験し得るストレス
3 グラウンドナース教育の取り組み
□1前橋赤十字病院での教育
□□グラウンドナース育成の実際
□□ドクターカーナース研修プログラムの概要
□□当院におけるドクターカーナース研修プログラムの実際
□□ドクターカーナース研修プログラムにおける評価と振り返り
□□ドクターカーナース研修修了者の認定
□2 東海大学医学部付属病院での教育
COLUMN
ドクターカーに同乗する看護師;グラウンドナース
ドクターヘリとドクターカーレジストリ登録システム
病院前で手術を行う車両
在宅ドクターカーと技術革新
ドクターカー同乗の専門職はなぜ看護師なのか
グラウンドナースの普及のために―看護教育の視点から
大阪府三島救命救急センターにおける特別救急隊同乗看護師の活躍
USARとグラウンドナース
看護師養成課程における解剖学教育の現状と課題
松本サリン事件とドクターカー
被ばく医療の基礎知識
ファーストエイド・レスポンダーとの連携
グラウンドナースの惨事ストレス
過去の文献からみるグラウンドナースの今後の課題
グラウンドナースと総合知
グラウンドナースとフライトナース
ドクターカー活動とJTAS
グラウンドナースに期待する迅速な観察と判断
第17回日本病院前救急診療医学会・学術集会;シンポジウム3(看護セッション)・「グラウンドナースの育成と今後の展望」に参加しての報告
索引
資料 ドクターカー運行マニュアル 第1版