AMLS日本語版
観察に基づいたアプローチ
- 定価 13,200円(税込)
- 監訳:坂本 哲也(帝京大学)
- 監訳:谷川 攻一(福島県立医科大学)
- A4・580ページ・並製
- 発行年月:2016年11月
- ISBN 978-4-89269-887-3
- ※記載されている所属・肩書は、出版当時のものです。
米国で発行されている
『AMLS Advanced Medical Life Support-An Assessment-Based Approach』
の完全翻訳版が遂に刊行!
本書は、米国のNational Association of Emergency Medical Technicians(NAEMT)が開発した
Advanced Medical Life Support (AMLS) コースのテキストとして用いられており、
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『病院前での疾病患者に対する「評価」そして「管理」について
「AMLS評価手順」を用いて生命危機を回避しつつ,
主要な徴候や症状とプライマリサーベイから鑑別診断を列挙し,
病歴,セカンダリサーベイ,心電図や酸素飽和度などの
詳細評価を統合した臨床的推論により適切な臨床判断を下す
AMLS 評価手順を身につけることを目的としている。』
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外傷以外の疾病患者のAMLS評価にはじまり、
神経、呼吸、ショック、腹部、感染症、中毒・有害物質・大量破壊兵器について、
9章に分かれて詳述されている。
さらには、APPENDIXとして、
AMLS評価手順、12誘導心電図、臨床検査の基準値、
迅速導入気管挿管、薬剤、についてまとめられている。
巻末の用語集には各章の重要な用語がまとめられている。
さらなる知識の向上を目指す救急救命士のみならず、
初期研修医・看護師など救急医療を担うすべての医療従事者必見の1冊です。
特 徴
・各章の冒頭に提示されている「シナリオ問題」を念頭に
読み進んでいくと、章のおわりで「シナリオ解説」がなされ
実践演習が可能となる
・さらに各章の最後に掲載されている「確認問題」を解き
Appendix Fにまとめられている「確認問題の解答」を
熟読すると、各章の冒頭に掲げられている目標を達成できる
見どころ
・現場で役立つ記憶法が満載
日本でおなじみのものもそうでないものも
必要な知識を簡単に暗記できる!
・「ご存知でしたか」の項目から最新の知見が得られる!
特 典
切り離し可能な付録付き!
本書の根幹を成す「AMLS評価手順」をはじめ
「一般的な臨床検査値」
「厳選された一般的なトキシドローム」
「12誘導心電図のリード装着」
が記載された付録をポケットに入れて持ち歩ける!
第1章 疾病患者のAMLS評価
AMLS評価手順
医療コミュニケーション
■積極的傾聴/コミュニケーションの障害
臨床的推論
臨床的推論の役割/ 臨床的推論の範囲
臨床判断
初期観察
安全の確認
患者への接近
■視覚による観察/嗅覚による観察/接触による観察
主要なプレゼンテーション
プライマリサーベイ
■意識レベル/気道/呼吸/循環/灌流
セカンダリサーベイ
■バイタルサイン/病歴聴取/身体観察
評価診断ツール
診断のための検査
高齢患者
■薬剤/コミュニケーション/呼吸/循環系/身体観察/人生の最終段階にある患者
肥満患者
■肥満患者の移動/特別な医療デバイスと必需品
産科の患者
航空機搬送
■航空生理学/安全
ウィルダネス(野外における)医療
総まとめ
第2章 意識状態の変化と神経学的異常
脳と脊髄
■保護的な解剖学的構造/血液供給/機能部位/初期観察
プライマリサーベイ
■気道/呼吸/循環/主要なプレゼンテーション/生命危機を及ぼす病態/詳細観察
病歴聴取
セカンダリサーベイと身体観察
診断
治療戦略
脳卒中
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
脳静脈血栓症
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
頸動脈解離
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
脳内出血
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
くも膜下出血
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
硬膜下血腫
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
硬膜外血腫
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
馬尾症候群
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
腫瘍
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
髄膜炎
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な症状/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
脳炎
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
膿瘍
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
痙攣発作
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
高血圧性脳症および悪性高血圧症
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
側頭動脈炎
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/搬送の判断
ベル麻痺
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/搬送の判断
片頭痛
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特記事項
特発性頭蓋内圧亢進症
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
正常圧水頭症
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
神経筋変性疾患
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
ウェルニッケ脳症とコルサコフ症候群
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
ギラン・バレー症候群
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断
急性精神病
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
急性うつ病/自殺企図
■病態生理/プレゼンテーション/鑑別診断/主要な所見/管理戦略/緊急対処/搬送の判断/特別な留意点
総まとめ
第3章 呼吸の異常
呼吸器系の解剖
■上気道/下気道/呼吸を補助する筋骨格系/胸腔内での心臓と血管構造の関係
呼吸器系の生理
■免疫反応の活性化/呼吸と換気の神経系による制御/酸塩基平衡の維持/換気量/加齢/肥満に対する留意点
評価
■出動指示と状況認識/初期評価/二次観察/病歴/評価のための診断方法
初期・基本的な管理技術
■気道/酸素療法/陽圧換気/侵襲的陽圧換気
上気道疾患
■機械的閉塞:異物/咽頭感染症/喉頭蓋炎/下顔部と頸部の感染/ルートヴィヒ・アンギーナ(口腔底蜂窩織炎)/細菌性気管炎/咽後膿瘍および脊椎前膿瘍/血管性浮腫
エアトラッピング(空気取り込み)
■喘息/慢性閉塞性肺疾患(COPD)
感染および免疫反応
■肺炎/急性肺損傷/急性呼吸促迫症候群
胸膜の疾患
■原発性自然気胸/二次性自然気胸/胸膜炎/胸水
非呼吸器系の原因による呼吸器症状
■心疾患/肺血栓塞栓症/肺高血圧症
中枢神経系障害
■急性/亜急性/慢性/全身的な神経障害
内分泌障害
■代謝性脳症/医薬品の副作用/パニック発作/過換気症候群/悪性新生物/圧外傷/ 有毒物質の吸入
印象および鑑別診断:系統的評価
特別な検査や検査機器
動脈血ガス分析と静脈血ガス分析
総まとめ
第4章 ショック
ショックの解剖と生理
■心臓/血管系/神経系
ショックの病態生理
■代謝性アシドーシス/代償機構
ショックの種類
■循環血液量減少性ショック/血液分布異常性ショック/心原性ショック/閉塞性ショック
プライマリサーベイ
■初期観察/意識レベル/気道,呼吸,循環/身体露出/環境
セカンダリサーベイ
評価手段
ショックの合併症
■急性腎不全/急性呼吸促迫症候群または急性肺損傷/凝固異常/肝機能障害/多臓器機能障害
AMLS管理サマリー
■輸液蘇生/体温調節/低灌流時の血管収縮薬/血液製剤の投与
出血性疾患
■血小板減少症/血友病
特別な留意点
■高齢患者/妊婦
総まとめ
第5章 胸部不快感
解剖と生理
■心臓/大血管/肺と胸膜/食道
胸痛の感覚
評価
初期のプロセスと重要な診断/初期観察
初期の生命危機を及ぼす病態の診断と対処
■呼吸促迫を伴う胸部不快感/バイタルサインの変化を伴う胸部不快感/胸痛患者の重要な所見
生命危機を及ぼさない(緊急)胸痛の原因
■不安定狭心症/冠攣縮あるいはプリンツメタル型狭心症/コカインによる胸痛/感染に伴う胸痛/気胸/胸部不快感を引き起こす腹腔内の原因
非緊急の胸痛の原因
胸痛を引き起こす神経学的原因
胸痛を引き起こす他の肺疾患
■肺炎/胸膜炎
胸部不快感を引き起こす他の心疾患
■大動脈弁狭窄症/僧帽弁逸脱症/心筋症
胸痛を引き起こす筋骨格系の原因
特別な留意点
■患者移送/高齢患者/肥満患者/妊娠患者
総まとめ
第6章 内分泌・代謝,環境障害
解剖と生理
■副甲状腺機能低下症/甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症/慢性副腎不全/急性副腎不全/副腎機能亢進症(クッシング症候群)
解剖と生理
■糖代謝とその制御/糖尿病/低血糖/糖尿病ケトアシドーシス/高浸透圧性高血糖性非ケトン性症候群/酸塩基平衡/呼吸性アシドーシス/呼吸性アルカローシス/代謝性アシドーシス/代謝性アルカローシス/混合性障害/低ナトリウム血症/低カリウム血症/高カリウム血症/低カルシウム血症/低マグネシウム血症
体温調節とそれに関連した障害
■凍傷/全身性低体温症/熱痙攣/熱疲労/熱射病/熱失神と運動関連失神/運動関連の低ナトリウム血症/悪性症候群
総まとめ
第7章 腹部症状:消化管,泌尿生殖器の障害
解剖と生理
■上部消化管/下部消化管/消化器系の機能
疼痛
■内臓痛/体性(壁側の)痛/関連痛
評価
初期観察
腹部症状の原因
■上部消化管または食道からの出血/ボエルハーベ症候群/急性膵炎/虫垂炎/腸間膜虚血/腸管閉塞/腹部コンパートメント症候群/ウイルス性胃腸炎/黄疸を伴った腹痛/下痢や便秘に伴う腹部症状/腹部症状を来す神経疾患/腹部症状を来す心肺疾患/腹部症状を来す泌尿生殖器疾患/腹部症状を来す内分泌疾患/腹部症状を来す感染症
特別な留意点
■患者搬送/高齢患者/肥満患者/妊婦
総まとめ
第8章 感染症
公衆衛生と安全規則
■地方機関/連邦政府関係機関
流行とパンデミック
感染経路
■保菌者/宿主/排出門戸/感染伝播/侵入門戸/宿主感受性
身体の自然免疫能
感染性病原体
■細菌/ウイルス/真菌/寄生虫症
感染症の成り立ち
■潜在期間/潜伏期間/感染期間/疾患期間
感染制御
■普遍的予防策/標準予防策/鋭的損傷の予防/医療従事者の責務
感染症に対する身体の生理的反応
■呼吸器/心血管系/泌尿生殖器/皮膚器官
特別な状況
■高齢者/肥満状態の患者/医療技術に依存している患者/ホスピスケアを受けている患者
血液を介して感染するウイルス
■ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と後天性免疫不全症候群(AIDS)/B型肝炎ウイルス/C型肝炎ウイルス/D型肝炎ウイルス
非血液感染性の肝炎ウイルス
■A型肝炎ウイルス/E型肝炎ウイルス
空気感染,飛沫感染する小児の疾患
■麻疹/風疹/流行性耳下腺炎/百日咳/水痘帯状疱疹ウイルス/RSウイルス
飛沫感染する疾患
■重症急性呼吸器症候群(SARS)/ウイルス性髄膜炎/インフルエンザ桿菌B型による髄膜炎/肺炎連鎖球菌(肺炎球菌)による髄膜炎/髄膜炎菌(髄膜炎菌性髄膜炎)/新型 H1N1インフルエンザ
空気感染する病原体による疾患
肺結核
ヘルペスウイルス感染症
■伝染性単核球症/1型単純ヘルペス/サイトメガロウイルス
性行為感染症
■淋病/梅毒/陰部ヘルペス/パピローマウイルス/疥癬/シラミ症(シラミ)
神経感染症
クロストリジウム・テタニ感染症(破傷風)
人畜共通感染症
■狂犬病/ハンタウイルス
生物が媒介する疾患
■ライム病/ウエストナイルウイルス/ロッキー山紅斑熱
消化管疾患
■急性胃腸炎/大腸菌感染症/赤痢
新興・再興感染症:多剤耐性菌
■メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)/バンコマイシン耐性腸球菌/クロス トリジウム・ディフィシル菌(偽膜性腸炎)
予防策およびリスク低減の対策
総まとめ
第9章 中毒,有害物質,大量破壊兵器
概要
AMLS アプローチ
■病歴聴取/初期観察/第一印象
鑑別診断と対処
■昏睡/低血糖/チアミン(ビタミンB1)欠乏/不穏/痙攣発作/体温変化/心拍数の異常/心調律異常/血圧異常/呼吸数の異常/酸素飽和度異常
トキシドローム
消化管除染
自然毒
■クロゴケグモ/ドクイトグモ/サソリ刺傷/クサリヘビ科マムシ亜科のヘビ/コブラ科のヘビ/クラゲ刺傷/海洋生物の刺傷による中毒/海洋生物の咬傷による中毒
植物毒性
■キノコ/強心配糖体植物やジギタリス毒性
中毒を起こす薬剤 378
■アセトアミノフェン/サリチル酸 388/β遮断薬/カルシウム拮抗薬/三環系抗うつ薬/リチウム/アンフェタミン類/バルビツレート類/ベンゾジアゼピン系,鎮静催眠薬,精神安定薬/アヘン様物質,アヘン
乱用される薬物
■メタンフェタミン製造所/コカイン/エタノール/幻覚剤/フェンシクリジン
家庭や職場にある有毒物質
■エチレングリコール/イソプロピルアルコール/メタノール/一酸化炭素/腐食性物質/亜硝酸塩,サルファ剤などのメトヘモグロビン血症の原因物質/コリンエステラーゼ阻害物質(有機リン,カーバメート類)/石油製品
有害物質
■関係当局への連絡/事故の認識/同定とラベル付け/現場への派遣/事故対応拠点/除染/個人防護具(PPE)/曝露の重症度と症状
有害物質曝露のタイプ
■経口薬と吸入/経口摂取/注射
生物由来物質
■炭疽病/ボツリヌス中毒症/ペスト/リシン/ウイルス性出血熱
放射性物質由来兵器
■電離放射線のタイプ/放射性被ばく
焼夷兵器
焼夷装置
化学物質
■窒息性化学剤/神経剤/窒息剤
総まとめ
APPENDIX
A AMLS評価手順
B 12誘導心電図 レビュー
C 臨床検査の基準値
D 迅速導入気管挿管
E 薬剤一覧
F 確認問題の解答
用語集
索引
付録