東日本大震災 DMAT全出動隊活動報告【DVD】

¥ 4,950 税込

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【動作環境】
Windows7(32ビット版/64ビット版),Windows10(32ビット版/64ビット版)
開発段階においてWindows XP,Vista,Windows8での完全な動作確認は取れておりませんので、ご了承下さい。
本DVD-ROMはAdobeReader9以上が必要です。
本DVD-ROMはDVD-ROM読み込み可能ドライブが必要です。
※メディア内部の「はじめにお読み下さい.txt」に詳細が記載されています。ご参照下さい。

はじめに

東日本大震災より,間もなく5年が経過しようとしています。いまだ福島では原発事故の影響が色濃く残っており,各被災県でも復興の最中となっております。また日本全土に目を向けると,広島土砂災害,御嶽山噴火,関東・東北豪雨などの局地災害も毎年のように発生していますが,災害が起きるたびに新たな問題が発生したり,旧来の課題が浮き彫りになっていることは,皆さんご承知の通りかと思います。

実際に,阪神・淡路大震災以降に整備された我が国の災害医療体制についても,東日本大震災の事例から,DMAT 活動の強化,災害拠点病院の機能強化,広域医療搬送のあり方,ロジスティックサポートの充実,中長期的な体制作りや多機関・多職種との連携の必要性など,さまざまな問題・課題があげられました。これらについては,DMAT 活動要領の改定,災害拠点病院の指定要件の改定,各種訓練での患者搬送戦略の検証,DMAT ロジスティックチームの養成,災害医療コーディネーターの整備などを行い,災害医療体制の更なる強化を行っている所であります。

また,東日本大震災は『未曽有の災害・想定外の出来事』と呼ばれることがしばしばあり,地震により原子力災害が引き起こされるという経験も過去にはないものでした。しかし個々の事象,例えば通信不通地域の発生や病院避難のオペレーション,超急性期から中長期にかけての支援のギャップ問題などは,過去の国内外の災害においても問題としてあげられることは多々ありました。

本書の目的は,東日本大震災におけるDMAT 活動を記録書として後世に残すということだけではありません。実用書として活用していただけたらと思います。「愚者は経験に学び,賢者は歴史に学ぶ」とは,かのオットー・フォン・ビスマルクの言葉ですが,自分の経験だけで物事を判断するのではなく,他者の経験(=歴史)を学び判断の糧とすることは,『想定外』を『想定内』に変換する方法の一つであり,臨機応変な災害対応を行ううえで非常に有用なこととなります。ぜひ本書にて東日本大震災を学び,事例を積み重ね,来るべき南海トラフ地震・首都直下地震に備えていただければ幸いです。

最後に,本書の元となりました各本部および各チームの報告書につきましては,厚生労働科学特別研究事業「東日本大震災急性期における医療対応と今後の災害急性期の医療提供体制に関する調査研究」にて調査・回収をさせていただきました。報告書をご提出いただきました皆様,また被災地内外での支援活動にご協力いただきました皆様に感謝申し上げます。

独立行政法人 国立病院機構 災害医療センター

小井土 雄一